人体最大の免疫器官であり、自律神経にも大きく関わっているという腸。
腸のトラブルは肌荒れ、腰痛、生理痛、肥満、下痢、便秘など、さまざまな症状の原因となります。
腸もみは、主に大腸や小腸を手のひらや指でもみほぐす施術。
冷えて硬くなった部分、ガスがたまって張っている部分などを丁寧にケアしながら腸の機能を高めていきます。
腸の機能が回復し、新陳代謝や消化機能、免疫機能が高まれば気になる肌荒れや便秘も改善。
ダイエット効果も期待できます。
腸の不調からくる冷えや血行不良に
毎日の仕事や家事の疲れによる肩こりや腰痛、冷え性などに悩まされているという人は多いかと思いますが、
実は腸も同じように疲労を起こすのです。
肩こりなどの症状と違って日頃あまり意識することはありませんが、
腸は休むことなく食事や排泄などの機能を働かせ続けています。
また腸は全長6メートル以上にも及ぶ広い面積をもち、動かすためにはたくさんの血液を必要とするため、
その分疲労も溜まりやすい臓器といわれています。
疲労が溜まり、動きが鈍くなると血液循環が悪化。
いわば「凝ったような状態」となり、腸だけでなく全身に及ぶ冷えや血行不良を起こしてしまいます。
さらに、小腸には菌と戦う免疫機能が備わっています。
全身の半分以上の免疫細胞が集まっているため、小腸の動きが鈍ると免疫力の低下を引き起こすことも。
疲れやすい、風邪を引きやすいなど、体の不調を感じやすい時は小腸の不調が原因となっている可能性があります。
こういった腸から始まる冷えや血行不良、免疫力の低下を改善するのが腸もみです。
「腸もみ」と聞いて、内臓なのに揉むことができるのかと驚く人もいるかと思いますが、
腸はとても大きいため皮膚の外側からでも刺激することができます。
刺激を与えることで腸の働きを促すことができますが、知識もなくむやみに揉んだりするのは良くありません。
正しい手法で適切な刺激を加えることが重要です。
腸を揉んでリラックスすることで、消化吸収や排泄がスムーズになり、腸が温まって全身もポカポカに。
肩こり、腰痛、頭痛、生理痛や代謝の促進、免疫力の向上のほか、気持ちが穏やかになるなど、
さまざまな効果が期待できます。
注目のダイエット効果
最近腸セラピーが注目を集めている理由のひとつに、ダイエット効果が見込めることが挙げられます。
腸の働きが鈍ると血液が汚れ、周辺に脂肪が溜まってしまいます。
そして汚れた血液を全身に送っているため代謝が悪くなり、脂肪も燃焼しづらい状態に。
腸もみを行うと腸全体の運動が促進され、体内の循環と代謝が良くなるため、
結果的にやせやすい体につながっていきます。
また、小腸の裏側はリンパ管が集結している場所。
腹部のリンパが滞っていると、ぽっこりお腹の原因になり、太って見えてしまうことも。
体内の老廃物や余分な水分を排出する役目を持つリンパ管の働きをスムーズにすることで、
むくみや血行を改善し、肌荒れ、冷えなどさまざまな体調不良の原因を取り除いていきます。
腸マッサージはこんな人におすすめ
次のようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ試してみてください。
・便秘がち
・おなかにガスがたまりやすい
・腹部の膨満感がある
・腰痛がある
・肩こりがある
・自律神経が乱れがち
・冷え性
・不眠がち
・ストレスがたまっている
・代謝機能の衰えを感じる
・生理痛がある
腸もみで心も穏やかに
昔から日本語には「腹を立てる」「腑に落ちる」という言葉があるように、
腸と感情には密接な関係があるといわれており、腸は「第二の脳」ともいわれます。
腸もみを行うことで副交感神経が優位になると、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが安定し、
気持ちを穏やかに落ち着ける効果が得られるともいわれています。
最近の研究では、便秘が解消されると自律神経のバランスが整うことがわかってきました。
つまり、腸内マッサージは腸を正常に動かすだけでなく、自律神経にも間接的に影響を与えると考えられます。